2006年12月13日 (水) | 編集 |
上橋菜穂子『狐笛のかなた』読了。
やはり和物ファンタジーは好きだ。しっくりくる。
(念のため、「和製」ではなく「和物」。日本が舞台、ということ)
わたしはここに描かれているような野山や里で育ったわけではないが、
なんだかんだで「日本の」自然や文化、習俗に馴染みがあるからか。
そういえば、荻原規子の勾玉シリーズや『風神秘抄』、ジブリの「もののけ姫」、ゲーム「大神」などなど、
昔の日本をモチーフにしたファンタジーは増えたし、人気も高い。
ヒトの世にいることで、神秘性を失っていくカミの姿はよく描かれる。
(例えば「もののけ姫」では、乙事主が、ただの獣となっていくイノシシのことを嘆いていた)
ところが『狐笛〜』では、カミとヒトの世だけでなく、その狭間の〈あわい〉がある。
このどっちつかずの場所で、どっちつかずの存在として生まれたのが、霊弧。
本来カミとヒトの世の両方を行き来できたはずの霊弧が、
カミの世には渡れなくなり、〈あわい〉に置き去りにされてしまった。
しかも、あろうことか人間の呪術によって、使役される憂き目にまで会う。
神話が失われつつある過程の、ひとつの解釈として見ても興味深い。
出産が慶事でありながら、穢れでもある理由が出てくる。
産婆は、両手を血(穢れ)に染め、「あの世」から赤子を引っ張り出す(場合によっては「あの世」へお返しもする)。
だから感謝もされるが、恐れられてもいる。
主人公の小夜を育てた祖母は産婆であり、
あの世とこの世の間に立っている、いわば〈あわい〉の存在だ。
お産の技術を受け継いだ小夜も、〈あわい〉の存在といえるだろう。
もっとも、彼女の場合、それだけではないのだが。
テーマのひとつは、恨みの連鎖をどう断ち切るか。
偶然だが、先に読んだばかりの『神の守り人』と通じる。
本作では、そもそも恨みの起こり自体は「なんだかなあ」と呆れるもの。
はっきりいって、子供のケンカレベル。
ただ、生まれの順番だけで不遇な立場を負わされるなど、
実際にあっただろうし、今でもありそうな話だ。
発端はそんなささいなことだが、これが次の代へ引き継がれると、
恨みは固く結びついた「伝統」となり、容易には解けなくなっていく。
当事者だけでなく、その子、孫、補佐した者、その子、またその子……と、
じわじわと、しかし確実に恨みは浸透し、
もはや最初の原因を除けばそれで解決、とはいかなくなる。
いや、何が原因なのかすら、わからなくなっているのかもしれない。
現実にも起きているさまざまな争いのことを思うと、
その和解の困難さに絶望してしまいそうになる。
そんな泥沼の、過酷な運命に翻弄される小夜たち。
とはいっても、そんな本人のあずかり知らないところで発生した「恨み」なんか、
ぽいっと捨ててしまいたい、というのが本音か。
その正直で、まっすぐな気持ちが小気味よい。
恨みとか呪いとか滅びとか、おどろおどろしい言葉が多いわりに、
読後がなにやらすがすがしいのはそのためか。
何を守りたいのか、をまっすぐ見据えてめげない若者たちに、
大人の心も少し疲れを癒されたようで。
物語は、喧嘩両成敗というか、恨みの元をただすことで、
なんとか互いに歩み寄ることに成功したようだ。
恨む心に耐え、相手を認めること。
けっきょくそれしかないのだろう。
やはり和物ファンタジーは好きだ。しっくりくる。
(念のため、「和製」ではなく「和物」。日本が舞台、ということ)
わたしはここに描かれているような野山や里で育ったわけではないが、
なんだかんだで「日本の」自然や文化、習俗に馴染みがあるからか。
そういえば、荻原規子の勾玉シリーズや『風神秘抄』、ジブリの「もののけ姫」、ゲーム「大神」などなど、
昔の日本をモチーフにしたファンタジーは増えたし、人気も高い。
ヒトの世にいることで、神秘性を失っていくカミの姿はよく描かれる。
(例えば「もののけ姫」では、乙事主が、ただの獣となっていくイノシシのことを嘆いていた)
ところが『狐笛〜』では、カミとヒトの世だけでなく、その狭間の〈あわい〉がある。
このどっちつかずの場所で、どっちつかずの存在として生まれたのが、霊弧。
本来カミとヒトの世の両方を行き来できたはずの霊弧が、
カミの世には渡れなくなり、〈あわい〉に置き去りにされてしまった。
しかも、あろうことか人間の呪術によって、使役される憂き目にまで会う。
神話が失われつつある過程の、ひとつの解釈として見ても興味深い。
出産が慶事でありながら、穢れでもある理由が出てくる。
産婆は、両手を血(穢れ)に染め、「あの世」から赤子を引っ張り出す(場合によっては「あの世」へお返しもする)。
だから感謝もされるが、恐れられてもいる。
主人公の小夜を育てた祖母は産婆であり、
あの世とこの世の間に立っている、いわば〈あわい〉の存在だ。
お産の技術を受け継いだ小夜も、〈あわい〉の存在といえるだろう。
もっとも、彼女の場合、それだけではないのだが。
テーマのひとつは、恨みの連鎖をどう断ち切るか。
偶然だが、先に読んだばかりの『神の守り人』と通じる。
本作では、そもそも恨みの起こり自体は「なんだかなあ」と呆れるもの。
はっきりいって、子供のケンカレベル。
ただ、生まれの順番だけで不遇な立場を負わされるなど、
実際にあっただろうし、今でもありそうな話だ。
発端はそんなささいなことだが、これが次の代へ引き継がれると、
恨みは固く結びついた「伝統」となり、容易には解けなくなっていく。
当事者だけでなく、その子、孫、補佐した者、その子、またその子……と、
じわじわと、しかし確実に恨みは浸透し、
もはや最初の原因を除けばそれで解決、とはいかなくなる。
いや、何が原因なのかすら、わからなくなっているのかもしれない。
現実にも起きているさまざまな争いのことを思うと、
その和解の困難さに絶望してしまいそうになる。
そんな泥沼の、過酷な運命に翻弄される小夜たち。
とはいっても、そんな本人のあずかり知らないところで発生した「恨み」なんか、
ぽいっと捨ててしまいたい、というのが本音か。
その正直で、まっすぐな気持ちが小気味よい。
恨みとか呪いとか滅びとか、おどろおどろしい言葉が多いわりに、
読後がなにやらすがすがしいのはそのためか。
何を守りたいのか、をまっすぐ見据えてめげない若者たちに、
大人の心も少し疲れを癒されたようで。
物語は、喧嘩両成敗というか、恨みの元をただすことで、
なんとか互いに歩み寄ることに成功したようだ。
恨む心に耐え、相手を認めること。
けっきょくそれしかないのだろう。
2006年12月13日 (水) | 編集 |
上橋菜穂子『神の守り人』来訪編/帰還編 読了。
シリーズ初の2巻もの。
そのボリュームに比例してか、移動距離が長い。
そしていつも以上にバルサが傷を負う。
というか、ほとんど無傷の期間がない。
派手なアクションの連発で、いかにもシリーズの主人公!というところだが、
実はかなり脇役っぽいポジションだったのが面白かった。
かといって真の主役アスラも全然ヒロインらしからず、
ほとんど受身(移動に関しては荷物扱い)だったのも。
本人の意思はまったく関係なく、
一方からは救世主としてあがめられ、一方からは悪魔として暗殺されそうになる、
運命に巻き込まれていくさまが、そこに表れている。
今まで、主要人物に関してはハッピーエンドな終わり方がパターンだったが、
初めて「ハッピー」とは言いがたい結末を迎えた者が出た。
(もっとも、まだ“過程”であって“結末”はこれから、かもしれないが)
テーマも重い。
人はけっして平等ではないということ。
その不平等のもとにある信仰、富と貧困、差別、利害……
人は等しく尊いのだといいながら、
生まれや住む場所によって、貧富の差や身分の差ができ、
それに縛られていくという矛盾。
ゆえに人々の心の底に沈殿していく、恨みと怒りと悲しみと、そして殺意。
何百年も前の「伝説」は、解釈によって「正義」も違う。
もはや絶望的に回復しようもないと思われる状況に、
それでもなんとか活路を見出したいともがく人々。
実際、物語中でもなにも解決はできていないが、
せめて己の心だけは尊くあろうとする勇気が一筋の希望の光、といったところ。
その勇気を持つことは、ひどく苦しく、孤独な戦いのようで、
実は多くの人に支えられてかなえられるのだ、ということ。
それを示したのが幼いアスラとチキサなだけに、最後が切ない。
シリーズ初の2巻もの。
そのボリュームに比例してか、移動距離が長い。
そしていつも以上にバルサが傷を負う。
というか、ほとんど無傷の期間がない。
派手なアクションの連発で、いかにもシリーズの主人公!というところだが、
実はかなり脇役っぽいポジションだったのが面白かった。
かといって真の主役アスラも全然ヒロインらしからず、
ほとんど受身(移動に関しては荷物扱い)だったのも。
本人の意思はまったく関係なく、
一方からは救世主としてあがめられ、一方からは悪魔として暗殺されそうになる、
運命に巻き込まれていくさまが、そこに表れている。
今まで、主要人物に関してはハッピーエンドな終わり方がパターンだったが、
初めて「ハッピー」とは言いがたい結末を迎えた者が出た。
(もっとも、まだ“過程”であって“結末”はこれから、かもしれないが)
テーマも重い。
人はけっして平等ではないということ。
その不平等のもとにある信仰、富と貧困、差別、利害……
人は等しく尊いのだといいながら、
生まれや住む場所によって、貧富の差や身分の差ができ、
それに縛られていくという矛盾。
ゆえに人々の心の底に沈殿していく、恨みと怒りと悲しみと、そして殺意。
何百年も前の「伝説」は、解釈によって「正義」も違う。
もはや絶望的に回復しようもないと思われる状況に、
それでもなんとか活路を見出したいともがく人々。
実際、物語中でもなにも解決はできていないが、
せめて己の心だけは尊くあろうとする勇気が一筋の希望の光、といったところ。
その勇気を持つことは、ひどく苦しく、孤独な戦いのようで、
実は多くの人に支えられてかなえられるのだ、ということ。
それを示したのが幼いアスラとチキサなだけに、最後が切ない。
2006年12月07日 (木) | 編集 |
あまさわり【雨障】
雨に妨げられて外出できないこと。(広辞苑より)
以前、「みみざわり」を取り上げたけれども、おなじ系統の「さわり」の語。
すでに万葉集にも出てくるそうだ。
一説には「あまつつみ」とも読むとのこと。
となれば、大粒ではなく、細かいけれども、激しい雨を思い浮かべる。
白っぽく視界をさえぎる雨で、建物全体が包み込まれ、
きっと、戸口には幕を引いたようになっている。
なんとなく、屋内が雨から守られている結界のようでもあり、
外界と屋内とが異界として接しているような、そんな雰囲気を思う。
「あまさわり」というと、外出できない苛立ちや、雨に対する憎しみのようなものを感じるが、
「あまつつみ」といえば、自然を受け入れる諦めというかおおらかさを感じる。
個人的には、あまつつみ、の語感が好きだ。
雨に妨げられて外出できないこと。(広辞苑より)
以前、「みみざわり」を取り上げたけれども、おなじ系統の「さわり」の語。
すでに万葉集にも出てくるそうだ。
一説には「あまつつみ」とも読むとのこと。
となれば、大粒ではなく、細かいけれども、激しい雨を思い浮かべる。
白っぽく視界をさえぎる雨で、建物全体が包み込まれ、
きっと、戸口には幕を引いたようになっている。
なんとなく、屋内が雨から守られている結界のようでもあり、
外界と屋内とが異界として接しているような、そんな雰囲気を思う。
「あまさわり」というと、外出できない苛立ちや、雨に対する憎しみのようなものを感じるが、
「あまつつみ」といえば、自然を受け入れる諦めというかおおらかさを感じる。
個人的には、あまつつみ、の語感が好きだ。
2006年12月03日 (日) | 編集 |
またまた大変ご無沙汰してました。
これより復帰します、たぶん(←自信ないんかい!)
というわけで、サボり中に読んだ本より。
谷川俊太郎・文/いせひでこ・絵『かさをささないシランさん』
平和とはなんだ。自由とはなんだ。
自分を守ることと、他人を信じること。
当たり前だと思っていることが、実は当たり前ではないかもしれないということに、いつ気づくのか。
声高にではないが、深く心に訴えてくる。
今、わたしたちの周辺には不穏なことごとが迫りつつあるが、その不穏を生み出そうとしている人々に、ぜひ読んでみてもらいたい。
井沢元彦『逆説の日本史(6)中世神風編 - 鎌倉仏教と元寇の謎』
「仏教」の多面性を少し理解できた気がする。
昔から、ブッダ(ゴータマ)の悟りと、日本における仏教とがあまりに別物みたいで、結びつかなかったが、なんとなく解った。
当然といえば当然だが、年月と、距離と、民族性がこれほどに思想を変えるのだ。
変化の過程がはじめてわかって、面白かった。
それから、なぜ日蓮に対する特別なイメージのわけも理解。
まだまださわりだけだが、奥は深い。
上橋菜穂子『闇の守り人』
上橋菜穂子『夢の守り人』
用心棒バルサの活躍は続く。
ちゃんと1作ずつ完結しているのに、
前作のキャラをうまく絡めて、無理なく展開しているのが心地よい。
適度にご都合主義で、適度にスーパーマンぶりを発揮していて、王道なとこころも心地よいかと。
上橋菜穂子『虚空の旅人』
「守り人」シリーズの番外編、皇子チャグムのお話。
チャグムがちょっと有能・優秀すぎるかなーとは思う。
しかし、立場と本音にゆれる心が痛々しい。
彼は、今は押し殺している本音とうまく折り合いをつけて、新しいタイプの為政者となりえるのか。
賢いけれど、バルサのように万能ではないところに、別の面白みがある。
岩井宏実監修『日本の神々と仏〜信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学〜』
最初は「民俗学」っぽかったのに、
途中からただの神仏紹介みたいになってしまい、
果ては冠婚葬祭マナー本みたいな部分のつまみ食いみたいになってしまったのが残念。
羽海野チカ『ハチミツとクローバー』全10巻
好きだった人、好きな人、好きになれそうな人、のことを想い浮かべて、胸がつまる。
でも、片思いぐるぐるの話し、というふりをして、実は才能の有無、家族、友達、将来、夢と現実、存在理由……人生の苦しみを描いているところが、この作品のせつなさのゆえんだと思う。
これ、挟み込まれているギャグがなかったら、辛すぎて読めないよ。
あさのあつこ『バッテリーV』
「姫さん」発言がいいかげんうるさいので、豪と巧にはがんばってほしいものだ。
とりあえず、嵐の前の静けさなのか、安定期。
個人というよりも、チーム対チームの構図がより強まった。
巧がいい子ちゃんで物足りないのと、豪が鬱展開でつらいなあ。
次巻あたりでは、大きな展開を期待したい。
杉本苑子『穢土荘厳』(上・下)
これ、大河ドラマでぜひやってほしい。
「天皇」と「血族」という日本独特の政治体制。
聖武天皇の治世をメインに、その大きなひとつの転換期を描いた作。
庶民から天皇まで時代の波に飲まれながら、何を考え、どう生きたのか。
さもありなん、と思わせてくれるところが、面白い。
もちろん、ほとんどが作者の想像によるわけだが、大胆に「断言」する書きっぷりが快活。
歴史小説の醍醐味だろう。
また、日本語の表現の豊かさを見せつけてくれた。
こういう巧みな文を書く人は、きっともう生まれないのではなかろうか、とさえ思う。
山室静『聖書物語』
エホバの神様って、かなり独善的で排他的なのね。
まずそこに驚き。
絶望的に絡み合ってしまった紛争の連鎖、それを少し理解できそうな気がする。
理解できても、なんとも悲しいばかりだが……。
「宗教」と「信仰」は似て非なるもの。
世界中の宗教は、ひたすらに平和を求めているのに、なぜこうも叶えられないのだろう。
これより復帰します、たぶん(←自信ないんかい!)
というわけで、サボり中に読んだ本より。
谷川俊太郎・文/いせひでこ・絵『かさをささないシランさん』
平和とはなんだ。自由とはなんだ。
自分を守ることと、他人を信じること。
当たり前だと思っていることが、実は当たり前ではないかもしれないということに、いつ気づくのか。
声高にではないが、深く心に訴えてくる。
今、わたしたちの周辺には不穏なことごとが迫りつつあるが、その不穏を生み出そうとしている人々に、ぜひ読んでみてもらいたい。
井沢元彦『逆説の日本史(6)中世神風編 - 鎌倉仏教と元寇の謎』
「仏教」の多面性を少し理解できた気がする。
昔から、ブッダ(ゴータマ)の悟りと、日本における仏教とがあまりに別物みたいで、結びつかなかったが、なんとなく解った。
当然といえば当然だが、年月と、距離と、民族性がこれほどに思想を変えるのだ。
変化の過程がはじめてわかって、面白かった。
それから、なぜ日蓮に対する特別なイメージのわけも理解。
まだまださわりだけだが、奥は深い。
上橋菜穂子『闇の守り人』
上橋菜穂子『夢の守り人』
用心棒バルサの活躍は続く。
ちゃんと1作ずつ完結しているのに、
前作のキャラをうまく絡めて、無理なく展開しているのが心地よい。
適度にご都合主義で、適度にスーパーマンぶりを発揮していて、王道なとこころも心地よいかと。
上橋菜穂子『虚空の旅人』
「守り人」シリーズの番外編、皇子チャグムのお話。
チャグムがちょっと有能・優秀すぎるかなーとは思う。
しかし、立場と本音にゆれる心が痛々しい。
彼は、今は押し殺している本音とうまく折り合いをつけて、新しいタイプの為政者となりえるのか。
賢いけれど、バルサのように万能ではないところに、別の面白みがある。
岩井宏実監修『日本の神々と仏〜信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学〜』
最初は「民俗学」っぽかったのに、
途中からただの神仏紹介みたいになってしまい、
果ては冠婚葬祭マナー本みたいな部分のつまみ食いみたいになってしまったのが残念。
羽海野チカ『ハチミツとクローバー』全10巻
好きだった人、好きな人、好きになれそうな人、のことを想い浮かべて、胸がつまる。
でも、片思いぐるぐるの話し、というふりをして、実は才能の有無、家族、友達、将来、夢と現実、存在理由……人生の苦しみを描いているところが、この作品のせつなさのゆえんだと思う。
これ、挟み込まれているギャグがなかったら、辛すぎて読めないよ。
あさのあつこ『バッテリーV』
「姫さん」発言がいいかげんうるさいので、豪と巧にはがんばってほしいものだ。
とりあえず、嵐の前の静けさなのか、安定期。
個人というよりも、チーム対チームの構図がより強まった。
巧がいい子ちゃんで物足りないのと、豪が鬱展開でつらいなあ。
次巻あたりでは、大きな展開を期待したい。
杉本苑子『穢土荘厳』(上・下)
これ、大河ドラマでぜひやってほしい。
「天皇」と「血族」という日本独特の政治体制。
聖武天皇の治世をメインに、その大きなひとつの転換期を描いた作。
庶民から天皇まで時代の波に飲まれながら、何を考え、どう生きたのか。
さもありなん、と思わせてくれるところが、面白い。
もちろん、ほとんどが作者の想像によるわけだが、大胆に「断言」する書きっぷりが快活。
歴史小説の醍醐味だろう。
また、日本語の表現の豊かさを見せつけてくれた。
こういう巧みな文を書く人は、きっともう生まれないのではなかろうか、とさえ思う。
山室静『聖書物語』
エホバの神様って、かなり独善的で排他的なのね。
まずそこに驚き。
絶望的に絡み合ってしまった紛争の連鎖、それを少し理解できそうな気がする。
理解できても、なんとも悲しいばかりだが……。
「宗教」と「信仰」は似て非なるもの。
世界中の宗教は、ひたすらに平和を求めているのに、なぜこうも叶えられないのだろう。
2006年07月26日 (水) | 編集 |
……すっかりご無沙汰しております。
要するに、浮気でさぼりです(笑)
加えて言い訳ですが、
『風神秘抄』を読んだら、はまってしまい、
その世界に浸っていたいので感想を書かずにいたら、
そのままずるずると現状に至る、なのでした。
さぼり中に読んだ本いくつか
荻原規子『風神秘抄』
草十郎と糸世がかわいくてたまりません。
楽と舞の世界の描写、読んでいるこっちの魂を持って行かれそうで、怖ろしい。
文章で、あの世界を生み出せるなんて、なんとすごいのか。
上橋菜穂子『精霊の守人』
骨太ファンタジー。
バルサのスーパーマンぶりが気持ちいい。
ダン・ブラウン『ダヴィンチ・コード』
映画の前に、原作読もう、というわけで家族で回し読み。
でも、読み終わったら映画は別に見なくてもいいかなーって気分。
話はとても面白かった。というより、よくできてるなーって感じ。
ほとんどの「答え」は、結局のところラングドン達がわかってたことで、
なんでわざわざこんな面倒臭い謎解きをしなきゃいけないのか、
という根本的な構造に不満がありますが。
単純にスリルを味わう分には、別にいいけど。
あと、キリスト教的な問題は、絶対的に理解できない感覚であり、
日本人的無宗教者であるから、単純に楽しめるのかも、とも思う。
西条勉『古代の読み方』
久々な感覚。
重箱の隅をつついて、こだわって、勝手な推理をする楽しみを、思い出した。
「作家論」的読書ばかりになっている自分に気づいた。
大塚英志『キャラクター小説の作り方』
自分が小説を書くかどうかは別として、
物語の構造やテクニックを知るのは、なかなか楽しい。
そして、大塚さんが「いわゆる角川文庫のような小説」を書く人でありながら、
その批判をする視点が面白い。
わたしは、角川文庫・冨士見ファンタジアな世代だし。
梨木香歩『丹生都比売』
梨木作品独特の「業」を感じた。
初期から一貫したテーマなのだな、きっと。
黒岩重吾の書いた草壁皇子とは全然キャラクター像が違うのと、
後の天武天皇が悩める人だったのが、面白かった。
でも、誰が書いても、持統天皇になる人は強い人。
岡本綺堂『江戸のことば』
いつの世も、懐古主義と若者批判ってあるのだな。
芝居や寄席の思い出話の詳しさがすごい。
そして、円朝は本当にすごい人だったのだと知る。
要するに、浮気でさぼりです(笑)
加えて言い訳ですが、
『風神秘抄』を読んだら、はまってしまい、
その世界に浸っていたいので感想を書かずにいたら、
そのままずるずると現状に至る、なのでした。
さぼり中に読んだ本いくつか
荻原規子『風神秘抄』
草十郎と糸世がかわいくてたまりません。
楽と舞の世界の描写、読んでいるこっちの魂を持って行かれそうで、怖ろしい。
文章で、あの世界を生み出せるなんて、なんとすごいのか。
上橋菜穂子『精霊の守人』
骨太ファンタジー。
バルサのスーパーマンぶりが気持ちいい。
ダン・ブラウン『ダヴィンチ・コード』
映画の前に、原作読もう、というわけで家族で回し読み。
でも、読み終わったら映画は別に見なくてもいいかなーって気分。
話はとても面白かった。というより、よくできてるなーって感じ。
ほとんどの「答え」は、結局のところラングドン達がわかってたことで、
なんでわざわざこんな面倒臭い謎解きをしなきゃいけないのか、
という根本的な構造に不満がありますが。
単純にスリルを味わう分には、別にいいけど。
あと、キリスト教的な問題は、絶対的に理解できない感覚であり、
日本人的無宗教者であるから、単純に楽しめるのかも、とも思う。
西条勉『古代の読み方』
久々な感覚。
重箱の隅をつついて、こだわって、勝手な推理をする楽しみを、思い出した。
「作家論」的読書ばかりになっている自分に気づいた。
大塚英志『キャラクター小説の作り方』
自分が小説を書くかどうかは別として、
物語の構造やテクニックを知るのは、なかなか楽しい。
そして、大塚さんが「いわゆる角川文庫のような小説」を書く人でありながら、
その批判をする視点が面白い。
わたしは、角川文庫・冨士見ファンタジアな世代だし。
梨木香歩『丹生都比売』
梨木作品独特の「業」を感じた。
初期から一貫したテーマなのだな、きっと。
黒岩重吾の書いた草壁皇子とは全然キャラクター像が違うのと、
後の天武天皇が悩める人だったのが、面白かった。
でも、誰が書いても、持統天皇になる人は強い人。
岡本綺堂『江戸のことば』
いつの世も、懐古主義と若者批判ってあるのだな。
芝居や寄席の思い出話の詳しさがすごい。
そして、円朝は本当にすごい人だったのだと知る。

