本読みの感想(ネタバレあり)を中心に、日々のことごとを。
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天才×凡人×一般人(バッテリーIV)
2006年03月28日 (火) | 編集 |
あさのあつこ『バッテリーIV』読了(2ヶ月前に…)
さあ試合だー! と楽しみにしてページを開いたら、いきなり試合後から始まったので、ちょっと拍子抜けしましたよ。

天才vs凡人(豪はどこまで巧についていけるのか)の構造がより明確に。
なにしろ、「天才・凡人」ペアがもう一組増えたから。
二組の「天才vs凡人」、ひとつの歴史は短く、もうひとつは長い。
はたしてそこに、どんな差が出るのか。
次の対決に期待したい。

そして、乱入してきたのが「一般人」代表、吉貞。
カッコイイから、もてるから、野球をやるんだ、という。
原田も永倉も、なんでそんなに深刻なんだよ? というある意味ノーテンキで明るいキャラ。
実は、前巻まではウルサイやつだなーと、あまり注目していなかった。
まあ、こういうお調子者キャラもいないと、どんどん重苦しくなりそうだしね、くらいに思っていた。
それがここへきて、「なんで野球をやるの?」という命題にストレートに絡んできた。
巧や豪は、まるで野球に命を捧げているかのよう。
でも、多くの部員は、「楽しいから、好きだから、やりたいから、(ときには成績のため)」野球をするのであって、そんなに重たく考えていない。
それでどこが悪いわけ?
と、身軽に飛び込んできた。
そりゃそうだ。たかが中学生の部活だ。そんな深刻なヤツばかりだったらおかしい。
どうかすると、神経削ってまで野球に打ち込んでいる巧や豪ばかりエライような錯覚を覚えそうだけれど、吉貞のような「素直」なのだって、それでいいんだもの。
というわけで、わたしの中では吉貞株急上昇である。

この巻は、巧が暴れない。ジコチューの権化みたいなヤツなのに、おとなしい。
チームメイトとじゃれあうシーンまであって、なんだか丸くなったみたい。
そのせいもあって、ちょっと物足りなさも感じる。
全体に、あまりストーリーは進まないし。
でも、実は物語全体では大きな転換期である。
「個」から「チーム」へと、テーマが移行してきたからだ。
今まで、「原田巧」という天才だけどわがままなヤツ、という「個」が中心だった。
ところが、ここへきて豪、吉貞や東谷に沢口ら1年生、野々村キャプテン、先輩ピッチャーの高槻、海音寺前キャプテン、顧問のオトムライまで巻き込んで、「新田東中野球部」という「チーム」の変化が問われ始めてきた。

そしてもちろん、ライバルチームの存在も大きい。
天才と、凡人と、一般人の、それぞれの活躍と、相互作用がどうでるか、楽しみだ。

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