本読みの感想(ネタバレあり)を中心に、日々のことごとを。
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独創的ほのぼのファンタジー(ヴィシュバ・ノール変異譚)
2006年01月11日 (水) | 編集 |
暮れから正月にかけて、水杜明珠『ヴィシュバ・ノール変異譚』(全11巻12冊)を読み返していました。
どんな不思議が起きてもおかしくない、ビシュバ・ノール大平原を舞台にした、ほのぼのファンタジー。
わかつきめぐみの挿絵がよく似合う。

主人公は、「白銀の織姫」マルーシュ・ミモリ。
そして、「地平線の向こうのお隣さん」ガディル・リュスト。
マルーシュは、「少女」という生き物という感じ。
男の子ではなく、女の子から見た理想の少女、なのかもしれない。
そして、ガディルとの間柄は、親友のような恋人のような保護者被保護者のような……やっぱりどれでもない。
なんとも言い表せない二人だけの「絶対の絆」。

この作品の魅力は、言葉選びにもあり。
著者は「言霊使い」を目指してそうで、かなりのこだわりを感じる。
(ときどき、地の文のセルフ突っ込みが気になることもあるけれど、それは目をつぶるとして)。
熟語や創作語がふんだんに使われていて、漢語が多いのに重たさを感じさせない。
作風の軽さと漢語のバランスの妙は、技量というよりセンスでしょう。
また、視覚的にも訴える文字組みが独創的。
たとえば、風の吹くさま、雨の降るさま、を独特の擬音だけでなく、文字の配列でもうまく表しているのだ。
それを、通常の本文組みから逸脱しないでやってのけているのが、すごい。

10年以上も前のコバルト文庫なので、今では入手困難かもしれないが、ファンタジー好きな方にはお勧めです。

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