本読みの感想(ネタバレあり)を中心に、日々のことごとを。
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託された希望(西の善き魔女6)
2005年09月14日 (水) | 編集 |
荻原規子『西の善き魔女』文庫版6巻(闇の左手)読了。

本編完結編にふさわしく、怒涛の展開。
一発屋かと思ったキャラも再登場、舞台はあちこちに分散し、めまぐるしい。
今までとはスピード感が違う。

***以下、ネタバレ度高め***
「シンデレラ」「白雪姫」などの童話はグラールでは禁忌。
つまり、グラールはどこかで現実世界とつながっていることは最初からわかっていた。
そして、4巻で登場した吟遊詩人(バード)の、変な口調と妙な能力と、かなり長命なこと。もっとずっと長生きな賢者(フィーリ)。
フィリエルたち一般人は知らない「機械=高度技術」の存在がうかがえる。
これをどう解いてくれるのか楽しみにしていた。

で、けっきょくは星間移住のお話で、グラールの女王はフィーリとバードの力を借りて、世界のバランスを保っていた。
おおむね予想通りだったので少々残念。
もっとびっくりしたかったなあ。
でも、これはわたしがこの手の物語に慣れているからで、しかたないのかも。
実際、世界はしっかり構築されているし、仕掛けもうまい。
メインの対象読者であるティーンにとっては、かなり新鮮な感動を味わえるのかもしれない。

グラールは女王が主権を握ることで、戦争をしない。
それは、「先住民」である竜を守り、互いにバランスを持って暮らしていく、ということだった。
争い、侵しあう、人間の性に対する、作者の希望を見た気がする。
最終的に、この物語では3人の少女にその希望が託された。
彼女たちはこの先どうしていくか、それは読者の想像にゆだねられ、つまりこの難しいテーマについて、考えることを与えられたのではないだろうか。
荻原規子は、かなりしたたかだ。
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