本読みの感想(ネタバレあり)を中心に、日々のことごとを。
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あまさわり/あまつつみ
2006年12月07日 (木) | 編集 |
あまさわり【雨障】
雨に妨げられて外出できないこと。(広辞苑より)

以前、「みみざわり」を取り上げたけれども、おなじ系統の「さわり」の語。
すでに万葉集にも出てくるそうだ。
一説には「あまつつみ」とも読むとのこと。
となれば、大粒ではなく、細かいけれども、激しい雨を思い浮かべる。
白っぽく視界をさえぎる雨で、建物全体が包み込まれ、
きっと、戸口には幕を引いたようになっている。
なんとなく、屋内が雨から守られている結界のようでもあり、
外界と屋内とが異界として接しているような、そんな雰囲気を思う。

「あまさわり」というと、外出できない苛立ちや、雨に対する憎しみのようなものを感じるが、
「あまつつみ」といえば、自然を受け入れる諦めというかおおらかさを感じる。

個人的には、あまつつみ、の語感が好きだ。

とばっちり
2006年06月01日 (木) | 編集 |
とばっちり【迸り】
傍らにいて禍のかかること。巻き添え。
(広辞苑より)

「傍らにいて水しぶきのを受ける意から」とのこと。
雨の日に道を歩いていて、車が来るので脇に避けたら、
その車が跳ね上げた水をかぶってしまった……
なんてシチュエーションは、まさに「とばっちり」だったわけですね!
昔ならば、馬や牛車や大八車が跳ね上げたのかしらん。

ちなみに、
「とばしり」→「とばちり」→「とばっちり」だとか。
「とばしり」」とは、飛び散る水、しぶき、飛沫のこと(広辞苑より)。
漢和辞典で「迸」とは、ほとばしる。いっせいに吹き出す。走る。いっせいに逃げ出す(漢字源より)。
漢字だけ見れば、かなり水量が多そう。
禍はあまり多くなくとも、巻き添えは嫌なものですがね。

※もしも漢字が化けていたら……
「とばっちり」の字は、「併」のにんべんを取って、しんにょうを加えた形です。

おち・おつ・おと
2006年05月18日 (木) | 編集 |
おち【復・変若】ヲチ
1)もとにかえること。
2)若がえること。

おつ【復つ・変若つ】ヲツ
若返る。

(広辞苑より)


「おちみず(変若水)」の「おち」。ああ、なるほど。
「復」も「変若」も、他で「お(を)」の音訓を持たないので、
たぶんこれは和語への当て字だと思う。
ツクヨミの神は、変若水信仰と関わりがあるそうだが、
これは月の満ち欠けが「死と再生」を連想させるからだろう。
元日に初めて汲む「若水」のことを、「変若水」ともいうわけだが、
これも、お歳取りをしつつも、若く健康で過ごしたいという願いが込められているからか。

なぜ、若返ることを「おつ」というのか、わからないが、
「おちみず」が「養老の滝のように、落ちる水からの連想」という説には同意しかねる。
なぜなら、「落ちる」は古語で「おつ」だが、「おちみず」は「をちみず」だから。
「おつ」=「をつ」にはなりえないので。


ちなみに、
「をと(若)」+「こ(子)」=おとこ(男)
「をと(若)」+「め(女)」=おとめ(少女・乙女)
だそうな。
今では、「おとこ」は老若問わず使うけれど、本来は若者のことなのね。
老若問わないのは「ひこ」「ひめ」だったか。

まじめ
2006年05月04日 (木) | 編集 |
まじめ
(沈静の意。漁村語)黎明と朝、夕方と黄昏の境目をそれぞれ朝まじめ・夕まじめという。この時刻は深海の魚類も水面に浮くので、好漁の潮時。まずめ。まずみ。まさめ。
(広辞苑より)

先日、自分の文章のことを「真面目で〜」と書くにあたり、
「真面目」とはそもそもなんじゃらほい、と辞書を引いてみた。
そうしたら、「真面目」とは別の「まじめ」を発見。
それが、上記の漁村語。

黎明(明け方・夜明け)と朝、夕方と黄昏の境目という、ごくわずかな時間帯に「好漁期」を指す名前がついていることに驚いた。
なぜ、この時間帯には深海魚も水面にやってくるのだろう。
不勉強だが、おそらく潮の干満の関係か。
そういえば、「潮汐」とは「あさしお(潮)」と「ゆうしお(汐)」、つまり朝夕を言い分けている。
漁では1日2回の周期が意識されているものなのか。

それにしても、「まじめ/まずめ/まずみ/まさめ」の語源が気になる。
(真+澄む、醒める、冷める とかかなあ?)

うらやむ
2006年05月02日 (火) | 編集 |
うらやむ【羨む】
(1)人の様子を見て、そのようにありたいと思う。
(2)人の境遇・資質などが自分よりよいのを見てねたましく思う。ねたむ。
(広辞苑より)

「心病む」と書いて、「うらやむ」。
ねたみ・そねみは精神衛生上よくないわけで、なるほどなあ。
「心」=「表に見えないもの」、だから「うら」と読む。
奥が深い。
というか奥ゆかしい。
「うら思う」で「心配する」の意。
「表裏がない」といえば、態度と内心が一致している人のこと。
つまり「表裏一体」とは、物理的な表面と裏面ではなく、もとは心身のことを指していたのかしら。

「羨」の字源は、「羊+よだれ」、だそうな。
よだれを垂らすほど心惹かれ、うらやましがる様子。
なんか、「心病む」と比べて、うわべな感じだなあ。